【翻訳】「電子タバコ(VAPE)の使用に関連した肺損傷の発生」問題のCDCまとめ(2019/10/17更新分)

先程、ユタ州のレポートについての翻訳を載せましたが、

先月からVAPE界隈を困惑させているアメリカの電子タバコ規制問題。日本では恣意的または中途半端な報道しかされていないので、他の人に「それアメリカで禁止になったんでしょ？」みたいな事をよく言われるようになって辟易しています。この件について...

CDC(米国疾病管理予防センター)のまとめの方も載せておきます。

Outbreak of Lung Injury Associated with E-Cigarette Use, or Vaping

CDC investigates outbreak of severe lung disease in patients who have recently used e-cigarette products, also known as “vaping.”

Centers for Disease Control and Prevention

ここは定期的に更新されているページで、最終更新は2019/10/17になっています。
アメリカ全体の情報がまとまっているし、箇条書きになっていて情報がわかりやすいです。

現在のスタンスとしては、
今回の肺疾患の患者の殆どが、違法なTHC製品を使用していた、という点は公式で認めつつ、でもまだ原因が100%特定出来ているわけではないから、それが判明するまでの間確実に身を守るには電子タバコそのものの使用を控えようね、という感じのようです。

アメリカは電子タバコ(VAPE)はニコチン入りが当たり前なので、そういった状況の違いもあるのだと思います。

例によって私の拙い英語力による翻訳になるので、訳が怪しい部分もありますがご容赦ください。

1 電子タバコ(VAPE)の使用に関連した肺損傷の発生

電子タバコ(VAPE)の使用に関連した肺損傷の発生

米国疾病管理予防センター(CDC)、米国食品医薬品局(FDA)、州および地方の保健部門、および他の臨床および公衆衛生パートナーは、電子タバコまたは蒸気を吸う製品の使用に関連した肺損傷の多州発生を調査しています。

電子タバコ、または蒸気を発する製品の使用に関連する肺損傷に関するCDCの調査について質問がある場合は、CDC-INFOにお問い合わせいただくか、1-800-232-4636までお電話ください。

更新：2019/10/17 15:00(東部標準時)

既知の内容

2019年10月15日の時点で、電子タバコの使用に関連する1,479 *の肺損傷のケースが、49州（アラスカを除くすべて）、コロンビア特別区、および1つの米国領からCDCに報告されています。
24の州で33人の死亡が確認されています。
すべての患者は、電子タバコ(VAPE)製品の使用歴を報告しています。
これまでにFDAでテストされたほとんどのサンプルにTHCが存在し、ほとんどの患者が大麻成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)含有製品の使用歴を報告していることがわかっています。
最新の国家および州の調査結果では、THCを含む製品、特に路上または他の非公式な入手元（友人、家族、違法なディーラーなど）から入手した製品が、大部分の症例に関連しており、この問題における主要な役割を果たしていることを示唆しています。
そのため、THCを含む電子タバコ(VAPE)製品を使用しないことをお勧めします。
肺損傷の特定の原因はまだわかっていないため、調査の継続中に自分の身の安全を保証する唯一の方法は、すべての電子タバコ(VAPE)製品の使用を控えることを検討することです。
電子タバコ(VAPE)の使用は、若者や若い成人を含む全ての年齢にとって安全とは言えません。
ニコチンは非常に強い中毒性があり、思春期の脳の発達に害を及ぼす可能性があり、これが20代前半から半ばまで続きます。

まだわかっていないこと

現時点では、FDAとCDCはこれらの症例での肺損傷の原因を特定しておらず、すべての症例で唯一の共通点は、患者が電子タバコ(VAPE)製品の使用を報告していることです。
今日まで、これらの病気の原因として出現した化合物や成分はありません。
また、この発生の原因は複数ある可能性があります。
多くの異なる物質と製品源がまだ調査中です。
電子タバコ製品の使用に関連する肺損傷または蒸気の原因となる特定の化学物質は、現時点では不明のままです。

CDCが推奨すること

CDCは、以下のことをしないよう推奨します。
- THCを含む電子タバコ(VAPE)製品の使用
- あらゆるタイプの電子タバコ(VAPE)製品、特にTHCを含む物を路上で購入すること。
- 小売店で購入した製品を含めて、メーカーが意図していない物質を用いて電子タバコ(VAPE)製品に追加、変更を加えること。
肺損傷の特定の原因はまだわかっていないため、調査の継続中に自分の身の安全を保証する唯一の方法は、すべての電子タバコ(VAPE)製品の使用を控えることを検討することです。
安全なたばこ製品はありません。電子タバコを含むすべてのタバコ製品にはリスクが伴います。
あなたがもし禁煙の為に電子タバコ(VAPE)製品を使用している大人の場合は、再びタバコに戻らないでください。
電子タバコを使用してニコチン中毒になった成人は、すべてのリスクと利点を検討し、FDA承認のニコチン代替療法の利用を検討する必要があります
電子タバコ、または蒸気を発する製品を使用し続ける人が居る場合、今回の問題で報告されているような症状が現れた場合は、症状を注意深く監視し、すぐに医療提供者に相談してください。
進行中の調査に関係なく：
- 電子タバコ(VAPE)製品は、若者、若年成人、または妊娠中の女性が使用することはできません。
- 現在タバコ製品を使用していない成人は、電子タバコ(VAPE)製品の使用を開始しないでください。
- THCの使用は、特に長期にわたる頻繁な使用で、広範囲の健康への影響に関連しています。
  潜在的に有害な影響を回避する最善の方法は、電子タバコや蒸気を含む製品を含むTHCを使用しないことです。
  マリファナ使用障害のある人は、医療提供者による証拠に基づいた治療を求めるべきです。
- 安全なたばこ製品はありません。電子タバコを含むすべてのタバコ製品にはリスクが伴います。
- CDCは、この複雑な疾患問題から新しいデータが出現した場合、必要に応じてガイダンスを更新し続けます。

電子タバコの使用やVapingに関する主な事実

電子タバコ—またはe-cigarettes—は、Vapeとも呼ばれており、電子フーカー(水タバコ)、Vapeペン、タンクシステム、Mod、および電子ニコチン送達システム（ENDS）とも呼ばれます。
電子タバコ製品を使用することは、一般にvapingと呼ばれます。
電子タバコは、液体を加熱してエアゾールを生成し、ユーザーが肺に吸い込むことで機能します。
液体には、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール（THC）およびカンナビノイド（CBD）オイル、およびその他の物質と添加物が含まれる事があります。 THCは、向精神性のあるマリファナの化合物です。

CDCの活動について

CDCは、州や他の連邦政府機関とのパートナーシップを通じて、この発生の原因を特定するために24時間年中無休で取り組んでいます。
CDCは、活動を調整し、全国の州、公衆衛生パートナー、および臨床医に支援を提供するために、緊急オペレーションセンター（EOC）を起動しました。
CDCの肺損傷対応の取り組みは、次のことにコミットしています。
- 電子タバコ製品の使用、または蒸気を吸うことに関連する肺疾患の危険因子と原因を特定して定義します。
- 米国で確認された可能性のあるケースを検出および追跡します。
- 実行可能な推奨事項を州、地域、および臨床の聴衆に伝えます。
- 公衆衛生の調査と患者のケアを支援できるラボ手順を確立します。
CDCは、通信、健康警告、公衆へのアウトリーチ、およびサーベイランスに関する協議と技術支援を各州に提供することにより、この調査に関してFDA、州、公衆衛生パートナー、および臨床医と引き続き緊密に協力しています。
CDCは、主要なメッセージと、件数、死亡、およびリソースに関する毎週の更新を含むWebページを維持しています。
CDCは、議会の説明会、メディアテレブリーフィングを開催し、保健局、臨床医との定期的な電話でタイムリーな更新を提供しています。
CDCは州と協力して、プライマリおよび病院外のケース定義を作成し、確認済みの可能性のあるケースを一貫した方法で分類しました。
現在の状態は患者を分類する過程にあります。州および臨床医は、CDCの症例定義に基づいて過去の肺損傷症例を振り返ることが期待されます。
招待に応じて、CDCは州を支援するためにEpidemic Intelligence Service（EIS）の役員およびその他のCDCスタッフを派遣しました。
CDCは追加の実験室試験を提供しています。
- CDCは現在、気管支肺胞洗浄（BAL）液、血液、または尿中の化学物質をテストするためのターゲットメソッドを検証しており、初期サンプルを受け取っています。
- CDCは、患者に関連する肺生検または剖検標本を含む病理学的標本を検査しています。
- CDCは、電子タバコ、またはvapeの製品およびリキッドからのケース関連製品サンプルのエアロゾル放出テストの方法も検証しています。製品サンプルのテストからの初期データは、これらの追加の試験法の必要性を導きました。
- その結果は、このアウトブレイクの原因となる化学物質の性質に関する洞察を提供できる可能性があります。
CDCは、公衆衛生研究所、医療提供者、病理学者などの標本収集、保管、提出を支援するために作成されたガイダンス文書を作成しました。
詳細およびリソースについては、一般向け、医療提供者向け、州および地方の健康部門向け、および出版物とリソースのページをご覧ください。