nubia RedMagic 6R レビュー|廉価版という位置づけながら最高クラスのスペックはそのまま、ただし日本では…

大手スマートフォンメーカーZTEの傘下であるnubiaがリリースするゲーミングスマートフォン、RedMagic 6Rのレビューです。
Rは、Racingの略らしいです。

Redmagicシリーズ
「Redmagicシリーズ」の記事一覧です。

Redmagicシリーズは、ハイスペックな機体に独自のクーリングシステムやトリガーボタンなど、ゲーミング特化の機能を組み込んだ同社のゲーミングモデルスマートフォンで、2018年から続いているシリーズです。

今回の6Rは、前回のRedmagic6の廉価版という位置づけになるみたいです。
Redmagic5から6に上がる際、価格帯が1段階上がってしまっていたのですが、今回の6Rは$499という安価な価格設定になっています。日本円にして5万円台。

ですがスペックなどはほぼそのまま。
空冷など一部機構はオミットされていますが、Snapdragon 888チップセットにLPDDR4メモリ、NFS3.1ストレージなど基本的なハードウェア構成は健在で、スペックとしては依然最高クラスを誇っています。

ただ、非常に残念なことが…。

この機種、日本向けの展開が無くなってしまったんですよね…。

随分前からレビューに向けてのやり取りを進めていたのですが、先月末頃に「日本市場への正式リリースが無くなった」とのお達しが。
でも折角だから紹介してよってことで今回また記事にさせていただくことになりました。
公式のワールドワイド販売などで入手することは可能ではあると思いますが、技適マークがなかったり、モバイル回線の対応バンドが日本向けでなかったりと、日本国内での日常利用としては結構ハードルが高そうです。

6の頃には日本向けの販路が大分強化され、技適も最初から付いていたりと大分いい流れだっただけに、残念ですね。

ですが折角頂いた機会なので、いつもどおり紹介していこうと思います。

この製品はRedMagicさんにサンプル提供いただきました。
ありがとうございます。

スペック

サイズ 163.04 x 75.34 x 7.8mm
重量 186.41g
ディスプレイ 6.67インチ FHD+ 有機EL
アスペクト比:20:9 (2040x1080px)
リフレッシュレート:30Hz/60Hz/90Hz/120Hz/144Hz
タッチセンサー サンプリングレート:360Hz
チップセット Qualcomm Snapdragon 888 5G
CPU: Kyro 680 2.84Ghz
GPU: Adreno 660
RAM 8GB/12GB LPDDR5
ストレージ 128/256GB  UFS3.1
モバイル
ネットワーク
2G: GSM 850/900/1800/1900 – SIM 1 & SIM 2/CDMA 800
3G: HSDPA 850/900/1700(AWS)/1900/2100/CDMA2000 1x
4G: 1, 3, 5, 7, 8, 4, 12, 17, 20, 34, 38, 39, 40, 41
5G: 1, 28, 41, 78 SA/NSA
Wi-Fi WiFi 6E (WIFI 802.11 a/b/g/n/ac/ax, 2.4GHz/5GHz)
Bluetooth Bluetooth 5.2
その他通信機能 GPS / NFC
カメラ リアカメラ:64MP+8MP+5MP+2MP クアッドカメラ
フロントカメラ:16MP
センサー 指紋センサー/加速度センサー/電子コンパス/ジャイロスコープ/近接センサー/照度センサー
OS RedMagic OS 4.0(Android11.0ベース)
バッテリー 4200mAh
30w急速充電対応
ポート USB Type-C / デュアルnano-SIM
冷却システム 水冷機構内蔵
その他 タッチパネル式両肩トリガーボタン

パッケージ

前作6同様、シンプルなロゴのみのパッケージ。
化粧箱はちょっとコンパクトになりました。

パッケージ内容

  • RedMagig 5G本体
  • クリアカバー
  • USB Type-Cケーブル
  • USB Type-Cイヤホンジャック
  • USB電源アダプタ
  • ユーザーマニュアル
  • ワランティカード

ユーザーマニュアルには日本語の表記もあります。
元々は出す予定だったのかな。

外観

パッケージから出したままの状態。
保護シートに包まれているので、まずこれを外します。

Redmagicシリーズは代々大柄な本体で、これもスマホの中では大きな方なのですが、6よりはやや小さく、薄くなりました。

サイズダウンの理由としては、ベゼルレス化が挙げられると思います。

最近の主流はベゼルレスですが、Redmagicシリーズは代々ベゼルありのデザインでした。
マイクやカメラなどのはみ出しでゲームの表示を削らないようにする為の選択だったと私は思っています。

今回はベゼルレスになり、フロントカメラのみが液晶の中にポツンと残るデザインとなっています。
ベゼルレスにしつつ、表示が削れる部分を最小限に抑えた結果でしょうか。

裏面を見て「あれ?」となりました。
これまでのRedmagicは代々裏面がかなり派手だったのですが、今回はちょっと落ち着いた見た目になっています。
ゲーミングでない普通のスマホに近い感じ。

ですが、メタリックパーツとクリアパーツを重ねて、かなり綺麗な仕上がりになっています。

カメラが1箇所に集められているデザインも、他のスマホに近づいた印象を受ける原因の一つかも。

6まではトリプルカメラでしたが、この6Rは64MP+8MP+5MP+2MPのクアッドカメラになりました。

画面から向かって右側の側面、左右にタッチセンサー式のトリガーボタンが付いています。
対応しているアプリでGame Spaceを介すことによって、このボタンをゲーム内で使用することが出来ます。

トリガーボタンの間に、音量ボタンと電源ボタン。

反対側の側面、
これまでのシリーズはこちらにGameSpaceのトリガースイッチや空冷ファンの吸気口などがあったのですが、今作はまっさらでなにもありません。

上面もシンプル。
スピーカーの穴が1個あるのみ。

下側はマイクとスピーカー、USB Type-Cポート、SIMカードスロット。

SIMカードスロットはこれまで通りデュアルSIMに対応。

付属品として、裏面を前面覆うタイプのソフトケースが入っていました。

日本で日常使用するのは難しい…?

Redmagicシリーズは、以前から日本の代理店が入って販売していたり、6の頃からは公式でも正式に日本向けの販売やサポートを行うようになっていたのですが、今回の6Rは正式販売はしないとのこと。

とはいえ、他の海外機種と同様、海外購入に慣れている方なら入手自体は出来るかな、と思います。

ただ、今回に関しては、入手できても日本国内で日常使用するには厳しいかな、と思います。

まず、技適マークがありません。

Redmagic6は最初から技適マーク付きでした。
Redmagic5Gなどには最初はありませんでしたが、後ほど取得されました。

ですが今回、日本での展開はないとメーカーさんが言っているので、期待できなさそうです。

あとはモバイルネットワークの問題。

4G LTEの対応バンドが、各社必須の1と3には対応しているものの、ドコモのプラチナバンド(19)、auのプラチナバンド(18,26)と高速通信(42)に対応していません。
ソフトバンクのプラチナバンド(8)には対応しているけど、どうかなぁといったところ。

3Gのバンドは概ね対応しているようですが…。

5Gも、日本で使われる77/78/79のうち、78のみ対応という状況のようです。

今回のこの状況、
廉価版故に技適取得や対応バンドなどコストが合わなかったとかなんですかねぇ。
スペックを考えると販売価格が破格と言えますし。

RedMagic OS 4.0

OSはRedmagicと同じ、Android11.0をベースにカスタムしたRedmagic OS4.0を搭載しています。

初回のプライバシーポリシーのみ英語表記ですが、

次の画面からは日本語でセットアップを進められます。

指紋認証と顔認証の両方に対応しているのもこれまで通り。

ホーム画面は普通のAndroidとほぼ変わりません。

設定メニューも全て日本語ですし、以前のように特別な専用メニューがいくつも入っているような感じではありません。
ゲームの最適化を行うネオAIくらいかな。

普通に使う分には他のAndroid端末と変わらない感覚で使用出来ると思います。

ベンチマーク計測

AnTuTuベンチマーク

まずはAntutuから。

相変わらずとんでもないスコアを叩き出しています。
というかむしろ、廉価版だというのに前作の6を僅かに上回っているという…。

冷却が空冷+液冷から液冷のみになった分、温度は少し高めといった感じですね。

3DMark

続いて3DMark、
こちらも6の結果と並べてみましたが、若干上回ってますね。

どちらのベンチも、試行タイミング次第で引っくり返りそうな差ではあるので、同等と判断して良さそう。

91%のデバイスに勝っているそうです(2021/07/19現在)

冷却システム

今回、これまでのシリーズに搭載されていたファンに寄る空冷システムはありません。

ですが、液冷の機構は残されています。
熱伝導性ゲルや複数の金属素材などで本体を冷却する仕組み。

流石に、これまでの空冷+液冷と比べると冷却力は若干落ちるようで、検証で色々触っていた時の本体温度はやや高めに感じました。
ですが、ファン音がないのは静かでいいですね。

ゲーミング機能

今回、ゲーム専用モードであるGAME SPACEをONにするためのトリガースイッチがありません。

アプリで置いてあるのかな?と思ったけど、それっぽいアプリもなし。
設定メニューもひと通り見てみたけど、それっぽいメニューもありません。

「ショルダートリガーとかどうやって使うんだよ…」
と途方に暮れていたのですが、

ゲーム系のアプリを起動する時に表示されていたこれが入り口だったみたいです。
どうやら、アプリ起動時に種類を判別してこのボタンを出している模様。

ただ、これ開始数秒しか表示されないんですよ。
ちょっと戸惑っている間にすぐ消えて、普通に起動しちゃう。

そんな時は、上のスワイプメニューを出してこのアイコンをタップすればよいようです。
これもめっちゃ探した。

GAME SPACEが有効になっている場合は、右スワイプで専用のメニューを呼び出して各種機能を使用することができます。

電話やメールの着信の停止や画面のフレームレート調整、CPUやGPUのアクセラレータ、LINEやDiscord、ブラウザなどをポップアップする機能、マクロや画面記録など、ゲームをサポートする機能が詰まっています。

L/Rのショルダートリガーの設定もここから行えます。

例えばこの原神の場合、攻撃ボタンとジャンプボタンあたりに割り振っておくとコンシューマーゲームに近い感覚で遊べるかな。

スワイプメニューの「戻る」を押すとGAMESPACEのメインメニューが表示されます。

むしろここを起点にしたいんだけど、これを直接起動する術はないものか…。
ちょっとこのあたり未完成感がありますね。

まとめ

相変わらず非常にハイスペックです。
というか、ベンチマーク上では6とほぼ同じレベルですし、499ドルの端末が出すスペックとは思えない。

表面上の大きな違いは空冷ファンが無くなったこととゲームモードの起動スイッチが無くなった事。
前者は悪い点もあればいい点もある感じ、後者はゲームモード周りの使い勝手が少し悪くなったかな…。

逆にカメラは6より良くなっています。
リアはクアッドカメラになったし、フロントカメラも8MPから16MPに向上しています。
やはり見た目も含めて、ゲーミング端末から通常の端末に近づいた印象を受けますね。

やはり残念なのは日本への販売対応がないことですね。
輸入したとしても、技適がないことに加えて4G LTEの対応バンドが日本向きでないということで、いくら安くてスペックが良いとはいえWifiで使う…か…?といった感じに。
ゲーム機として割り切ればありかも知れませんが。

この価格帯でこのスペックで、もし日本でLTEで使える機種だったら飛びつく人は多かった気がします。

※日本語サイトだと6Rがない為Not Foundになるので、右下の国旗マークで「その他の地域」を選択してアクセスする必要があります。

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