Vapefly Alberich II MTL RTA レビュー|トップtoボトムエアフローになり、液漏れにより強くなりました

Vapefly Alberich II MTL RTAのレビューです。

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昨年リリースされて高い人気を誇ったAlberich MTL RTAの2作目、
北欧~ゲルマンを意識したネーミングとデザインを持つ、しっかりした性能のMTLタンクです。

前作Alberichはタンクから真っ直ぐリキッドを落とす、所謂”FeV”的構造でしたが、今回は一般的な構造に戻っています。
その代わり、エアフローシステムがトップtoボトムに変わり、リキッド漏れに強くなりました。

見た感じチムニーも細く、アトマイザー径も23mmに抑えられており、このサイズ感の中でリキッド容量4mlを維持したままトップtoボトムエアフローを実現したのはなかなか凄いと思います。

この製品は、Vapeflyさんにサンプル提供頂きました。
ありがとうございます。

電子たばこ(VAPE/ヴェポライザー)は20歳以上を対象とした嗜好品です。
未成年の方の使用はお控えくださいますようお願い致します。

パッケージ

Brunhildeの頃から続く、中世風デザインのパッケージ。

裏面には、正規品チェック用のスクラッチシールが貼られています。
このスクラッチの下のコードを、公式サイトの下にあるフォームに入力すると、コピー品でないかのチェックが出来ます。

パッケージ内容

  • Alberich II MTL RTA本体
  • 予備ガラスチューブ
  • T字レンチ
  • 予備Oリング、予備ネジ
  • 交換用エアフローピン
  • プリメイドコイル+コットンx2セット
  • ユーザーマニュアル
  • ワランティカード

ユーザーマニュアルは多言語で書かれていますが、日本語の記述はありません。

付属のプリメイドコイルはカンタルとNi80で、どちらも1.0Ω

コットンは同社のFireboltコットンが付属しています。

エアフローはピン交換式となっており、
2.0mm/1.8mm/1.5mm/1.2mm/1.0mm/0.8mmの6種類のピンが付属しています。

本体に最初から装着されたピンも外してみましたが(写真↓)これは1.2mmのようです。

外観・特徴

デザインテイストは前作の物を踏襲していますね。
ゲルマン風の雰囲気を残しつつ、ローレット加工など近代的な雰囲気もありつつ、
相変わらず上品さと力強さがあって好みです。

カラーバリエーションはSS、ブラック、ガンメタの3色。

前作Alberichと並べてみます。

デザインテイストは同じですが、RTAとしての構造が大きく異なるので、大分見た目は変わって見えます。

少し背が高くなっており、直径は22mm→24mmにアップしています。
トップtoボトムエアフローの構造が入っているので、よくこれだけのサイズアップで抑えたと言うべきか。

ちょっと残念だったのは、最近ではちょっと珍しくなったこのガラスタンク。
予備も1個ありますが、こちらもガラスタンクです。

破損が怖いので、前作のようなPEIタンクの設定があるともっとよかったなぁと。

トップキャップ上面は、溝が掘られた少々複雑な形状。

ドリップチップは510規格で、汎用品も使用出来ます。

トップキャップはロック式。
キャップを90°回すとロックが外れます。

与圧が発生しづらく、リキッド漏れに強い方式です。

トップtoボトムエアフローなので、エアホールはトップ側にあります。

コントロールリング等はついておらず、デッキ側のピン交換のみでのエアフロー調整となります。

底面。
ポジティブピンの出っ張りは1mmくらいです。

フィッティング

Eleaf iStick Pico

23mmなので、Picoもギリギリいけます。

ラプチもツライチ

詳細

メーカー公式

スペック

直径 23mm
高さ 59.65mm(コンタクト、標準ドリップチップ含む)
リキッド容量 4ml
ドリップチップ 510規格
コイル シングルコイルRBA
リキッドチャージ トップフィル
エアフロー ボトムエアフロー

構造

分解してみました。
一般的なRTAの構造に戻った感じですね。

エアフローシステム

トップから給気したエアーを下まで運び、コイルの下から吹き付けるトップtoボトム方式のエアフローシステムを採用しています。

トップエアフローのリキッド漏れのしにくさと、ボトムエアフローの味の良さを両立した方式です。

真ん中を通っているチムニーとチャンバーが2重構造になっていて、その隙間を通してエアーを運びます。

その為、トップtoボトムエアフローのアトマイザーはどうしてもサイズが大きくなってしまったり、リキッド容量が犠牲になったりしてしまうのですが、
このAlberich2のチムニーとチャンバーはかなり精密な作りになっており、4mlのリキッド容量を確保しながら直径は23mmに抑えられています。

チャンバー

下の半月状のくぼみに、デッキ側のパーツが刺さります。
中央のドーム状の小さいくぼみが実質のチャンバー空間になるのだと思います、かなり狭め。

デッキ

2ポストタイプのシングルコイルデッキです。
ビルドの難易度は低め。

半月状の出っ張りがチャンバーに刺さるようになっており、片側は完全に壁になります。

壁の中にエアフローピンが埋まっており、トップから運ばれたエアーはここからコイルの下に送り込まれます。

エアフローピンは外側から差し込まれており、Oリングで固定されています。

内側からピンセットなどで押し出すことで取り外せるので、ビルドが組まれた状態でも交換可能です。

ビルドしてみる

付属コイル使用

ビルド難易度は低めです。
治具を中央のくぼみに置いて、足を挟んで締め込むだけ。

ガイドが立っているので足が逃げることもそうそうないと思いますが、軽く引っ張りながら締めた方が確実かと思います。

焼き入れして、ほぼ1.0Ω。

付属のFireboltコットンは片側が靴紐状にまとまっているので通しやすいですね。

長さはこんなもんかな。

側面の溝に這わせるようにコットンをセットします。
収まりが悪い場合は少しリキッドで湿らせてやると綺麗に収まると思います。

Nameless ElementさんのJLTを入れて吸ってみます。

王道のMTLアトマイザーといった印象を受けます。

初期装着の1.2mmエアフローピンはMTLに適した重さで、
重めDLとしても吸えるけど、DLで吸うには少し重すぎるかな?といった具合なので、自然とMTL吸いになります。

狭いチャンバーで生まれたミストは濃厚で、細く長いチムニーとドリップチップを経て上がってくる為大分冷えており、舌にフレーバーが直撃した後、口の中に広がってゆきます。

ちょうど前作もビルドしたばかりだったので吸い比べてみると、純粋なフレーバーの濃さとしては前作の方がやや上かな、この辺はさすがFeV的構造というか。

今回の2は、既存のMTLアトマイザーの構造のまま、チャンバー空間の圧縮などを突き詰めた感じがあります。
トップtoボトムで複雑な経路を通っている割にエアフローの流れは非常にスムーズで、この辺は前作よりも快適に感じます。

エアフローピンを交換してみます。(大分吸ったな……)

ピンセットなどで内側から押し出すだけで外れるので、ビルドを組んだままでも交換可能。

最小の0.8mmにするとかなり重いMTLになります。
ガチガチとまでは行かないけど相当重い方だと思います、DLではまず吸えない重さ。

逆に最大の2.0mmにすると、MTLで吸うのはギリギリか、いや口が疲れるからDL向きかな、くらいになります。
少し重めの抵抗感があるくらいのDL向きドローで、この1.0Ωのビルドでは少し物足りない感じに。

MTLクラプトン使用

そんなわけでDL向きに組んでみました。

VandyのNi80 MTLクラプトンで、2.5mm径6巻 0.7Ω

出力は20wで。
このくらいのドローならこのくらいのビルドがハマりそうだな、と思ったら、案の定ハマりました。

ミストが強くなり、2.0mmエアホールの風量にちょうどピッタリといった感じ。

重めDLまで行かないくらいのやや重DLといった感じで、標準ドリチではちょっと細長すぎるのでちょっと広く短い物に変えて吸いました。

MTLが本流かと思いますが、こんな使い方もアリですね。

気になった点

リビルドやエアフローピン交換の際に毎度デッキをタンクに組み付けるのですが、
インナーチャンバーとデッキの向きを合わせる必要がある為、デッキの出っ張り部分をチャンバーのくぼみにキッチリ合わせないと嵌まらないようになっています。

このタイプって、適当に差し込んで回している間に勝手にピッタリ嵌まる物が多いのですが、これは最初からキチッと合わせないと差し込めないようになっている為、なかなか合わずにムキーってなったことが数回。
細かい点ですが。

追記

レビューの際には気づいていなかったのですが、インナーチャンバー外れました。

ピンセットなどでインナーチャンバーを抜いてデッキに被せてから組み付ければ、上記のストレスなく組み付けられます。

まとめ

中華FeVと呼ばれていた前作から、王道MTLに戻った感じですね。
デザインテイストなどは踏襲していますが、構造が異なる為性格が結構違います。

前作はドローがガッツリ重く、とにかくフレーバーが濃いと言う印象でしたが、今回は既存のMTLタンクを純粋にグレードアップしたような感じ。

最小ピンを使用した際のドローは前作の方が重く、逆に最大ピンを使用した際は2の方が軽くなります。
ガチMTL派なら前作、重めDL派なら2が合うかなと感じました。

漏れに強いトップtoボトムエアフローや、ビルドしたまま容易に交換出来るエアフローピンなど、利便性は格段に上がっています。
(前作もビルドしたままのピン交換は出来ましたが、デッキ固定を兼ねていてあまり推奨出来ないので)

タンク容量も大きく、普段使いしやすいアトマイザーかなと思います。

販売情報

まだメーカー発表があったばかりの新作なので、国内での販売情報はありません。
前作も人気でしたし、入ってくるとは思うのですが。

海外を見てみます。

Sourcemoreさんでプレオーダー状態でした。

$33.99表記ですが、ログインすると$16.47になります。

コメント

  1. 鈴原けい より:

    本日現在、主観でいちばん味が濃く出るお勧めのアトマイザーを教えてください。

    タンク付きで、こちらの商品のように自分でビルドできるもの、いま私はHASTUR MTL RTA MINIを使用しています。

    4・5年前にvapeにはまっていましたが、ビルドが面倒になり、PODに移行して、kokoやnean2で「こんなに味が濃く出るのか!」と衝撃を受け、やっぱり自分でビルドしたいなと思って戻ってきました。

    現在はほとんどコアなvape記事を書いてらっしゃる方がいないようで、質問させていただきました。

    (逆に紹介レビュー記事がたくさんありすぎて読みきれない&比較検討が出来ませんでした…)

    よろしくお願いいたします。

    • Marz より:

      コメントありがとうございます!
      Hastur Miniいいですよね、私も好きで、未だにたまにビルドして使います。

      Hastur Miniに合わせてMTL系の中から上げると、私の主観ですと、タンクでは未だにBishop MTL RTAが一番かと思っています。
      味の濃さと、エアフローのスムーズな感じが他より頭一つ抜けていると感じます。

      味が濃く出るという点では、このAlberichの前作(無印)もかなり優秀だと思っています。

      所謂ハイエンドなどは使っておらず、マスプロメーカーの物も吸ったことがない物が多いのであくまで私がこれまで触った物の中で、となりますが、ご参考に慣れば幸いです。

      最近はPodがものすごく進化してきており、イマドキの物はRBAよりも味が出たりして非常に悩ましいです。
      ビルドして吸うのが好きなのでRBAを使い続けますが。

  2. 鈴原けい より:

    お返事ありがとうございます!

    記事を最新から順番に読んでいって、Alberichの前作が良さそうかな?と思っていたのですが、まずはおすすめのBishop MTL RTAを購入してみたいと思います。

    お忙しいだろうしお返事いただけないかなと思っていたのでめちゃくちゃ嬉しいです。

    これからも拝見させていただきます。
    よろしくお願いいたします!

  3. やす より:

    これいいですね。
    そろそろammit mtl rtaを更新したかったので、国内で買えるようになったら手に入れようと思います。
    因みにammit mtl rtaと比べて最小穴のエアフローの重さってどんな感じでしょうか?

    • Marz より:

      コメントありがとうございます!
      随分前で記憶が曖昧なので、Ammit MTL RTAを出してきて軽く比べてみましたが、
      AmmitのAFC最小穴と、Alberich2の最小ピンで比べると、私の体感ではAlberich2の方が僅かに重く感じました。
      純粋な重さの差と言うより、チムニーが細長いからかグッとくる抵抗感というか。

  4. やす より:

    お手数おかけしました、ありがとうございます。
    チムニーサイズ由来の重さですか。
    大変参考になりました。
    手に入れる機会が出来ましたら手に入れたいと思います。

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