Innokin ARES Finale RTA レビュー|名作MTLタンク、堂々のフィナーレ

Innokin ARES Finale RTA レビュー|名作MTLタンク、堂々のフィナーレ

Innokin ARES Finale RTAのレビューです。

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ARESは、老舗VAPEメーカーであるInnokinさんがリリースしているMTL RTAタンク、
Taste your juicePBusardo氏と、VapingreekのDimitris氏、
MTLを愛する両名とコラボして、MTLにこだわったタイトドローなRTAです。

MTLブーム黎明期にリリースされるや大ヒットとなり、ブームを牽引してきました。

2020年にリリースされたARES 2も非常によい物で、MTLユーザーからの評判も上々だったのが記憶に新しいです。

Finaleと冠しており、ひとまずシリーズはここまでとなるのでしょうか。
今回は螺旋状のチャンバーと、ガッツリMTLから重めDLまで幅広いエアフローオプションが印象的でした。

私は2から使用しているのですが、シリーズを通して非常に丁寧に作られたアトマイザーですし、
本体の扱いやすさや付属品の数々などから、MTL RTAを楽しんで欲しいという思いが詰まったホスピタリティ溢れる製品だという印象を受けています。

この製品はFlavor-Kitchenさんにサンプル提供いただきました。
ありがとうございます。

電子たばこ(VAPE/ヴェポライザー)は20歳以上を対象とした嗜好品です。
未成年の方の使用はお控えくださいますようお願い致します。

パッケージ

黒基調のシンプルなパッケージ。
背面に、正規品チェック用のスクラッチシールが貼られています。

前作同様、スリーブから中の箱を引き出すと、
コラボ元のPhil Busardo氏と、Dimitris Agrafiotis氏の写真が。
紳士感パない。

パッケージ内容

  • Ares Finale RTA本体
  • 予備ガラスチューブ
  • 予備ドリップチップ
  • ドライバー
  • ビルドツール
  • プリメイドコイル
  • ビルド用ワイヤー
  • 予備Oリング
  • 予備ネジ
  • コットン
  • ユーザーマニュアル

前作同様、Phil氏とDimitris氏のメッセージカードが入っています。

(意訳)
我々は、MTLやRDLでVAPEを楽しんでいる方だけでなく、VAPEに簡単に移行したい方のために、このAres Finaleを作りました。
皆さんも、我々と同じように楽しんで頂けたら幸いです。

さんくゆー♡

このビルドツールも2の頃から付属していましたね、
Phil氏とDimitris氏の名が付いたコイルジグです。

Phil氏はマイクロコイル派、Dimitris氏はスペースドコイル派という事でしょうか。

プリメイドコイルの他にワイヤーも付属しているし「これでビルドも楽しんでくれよな!」って感じですね。

このツールはマニュアル等にも載っていないし最初わからなかったのですが、
ここを緩めてトップパーツとチムニーを分解する為のツールのようです。

ユーザーマニュアルは多言語で書かれていますが、日本語の記述はありません。

外観・特徴

初代から変わらない、ベルのような特徴的な形状のチャンバーが「これぞARES」って感じです。

チャンバーにはARES FINALEの名前が彫り込んであります。

ドリップチップは510規格で、汎用の510ドリップチップが使用出来ます。
後述しますがロック式キャップの為キャップ裏はフラットになっており、ドリップチップの差し込み部分がかなり肉厚でしっかりと作られています。

トップキャップ、2はスライド式でしたがFinaleはロック式になりました。

スライド式は確かに楽ですがズレたり漏れたりのトラブルも多く、個人的にはこのロック式が一番好きですね。

全面フラットなシリコンパーツにキャップを面で押しつけてロックするタイプとなっており、与圧も発生しづらくリキッド漏れに強い仕組みです。

エアフローはボトムエアフローになっており、コントロールリングでドローの重さを調整できます。

エアフローコントロールが少々変わっており、
オーバルホールの他、1つずつ穴の数が減ってゆくハニカムホールが6段階あります。

底面。

ポジティブピンの出っ張りはちょっと短め。

フィッティング

詳細

スペック

直径 24mm
高さ 56.35mm
リキッド容量 4.5ml
ドリップチップ 510規格
コイル シングルコイルRBA
リキッドチャージ トップフィル
エアフロー ボトムエアフロー

構造

手で外せる所まで分解
標準的なRTAのパーツ構成です。

タンクを付けたままデッキにアクセス出来るので、リキッドが残っていてもリビルド可能です。

チャンバー

ドーム状のチャンバーに螺旋状の溝が掘られています。

これがどのような効果を生むのかは想像の域を出ませんが、形状からして、チムニーの中でミストが渦を巻くような感じになるのかな……。

MTLアトマイザーらしく、チムニーの内径は細め。

デッキ

トラディショナルなベロシティタイプのデッキです。

最近あまり見なくなりましたが、私はこのタイプのデッキが一番ビルドがしやすいと思っています。

コイル固定用のイモネジはマイナスネジです。

ネジの隙間もなく、細いワイヤーでも逃げることなくしっかりホールドできます。

デッキの底面に、エアフロー調整用のギミックが付いています。
レバーを左に回すと、コイル下の横長のエアホールが絞られる仕組み。

これと同等の仕組みは2にもありましたが、レバー式になってより操作しやすくなっています。
コイルを組んだままでもやりやすい。

ビルドしてみる

付属コイル使用

まず、付属のプリメイドコイルを使用してビルドしてみます。

ベロシティタイプのデッキはビルドが非常に簡単です。
コイルを差し込んでネジを締めたら、後ろから余ったワイヤーをカットするだけ。

左右に高さ合わせ用のガイド板があるので、それにジグを乗せるような感じでコイルを付ければOKです。

均一に焼けるまで、ドライバー等で擦りながらドライバーン。

付属コイルはカンタル線の1.0Ωです。

コットンはアトマの外周に合わせるくらいの長さでカットしたらちょうどいい感じでした。

下に曲げてジュースホールに押し込みます、
リキッドを染みこませてからの方がやりやすいと思います。

haloのMALIBUを吸ってみます。
強メンソのリキッドが有名なメーカーですが、MARIBUはピニャコラーダフレーバーのトロピカルなリキッドで、清涼感も控えめで好みです。

デフォルトのエアフローのままで吸うと、思いの外ドローが軽めです。
ちょっと抵抗感が強めの重めDLといった感じ。

ですがエアフローコントロールをハニカムホールの方に切り替えてゆくと一気にMTL向きになってゆきます。
最小の1穴まで絞るとかなり重め。

さらに、一度デッキを開けてデッキ下のレバーを絞ってみました。

こうすると全体的にグッとドローが重くなり、一番大きなオーバルホールですらMTL向きの重さになります。
最小の1穴まで絞ると、私ではちょっと咽せてしまうくらいガチガチのドローです。

ただこちらのモードは、1穴~2穴くらいで全体の流量が少ない状態なら問題ないのですが、それ以上の流量となるエアフローだと若干エアーの流れがスムーズでないように感じます。
なんか異物感があるというか。

再度デッキ下のレバーを全開に戻して改めて感じたのですが、この通常モード時はエアフローが非常にスムーズです。
あ、気持ちいい、と感じるくらいに。

デッキ下のレバーを触るのは、エアフローを最大限に絞って「もっと重くしたい!」と思った時にした方がよいかな?と感じました。

前述したとおりエアフローはスムーズで、味の乗りも非常によいです。
1.0Ωのコイルでエアフロー全開の重めDLでもかなり濃いフレーバーを感じます。
私の好みは4穴くらいかな、Aresの完成形を銘打っているだけにパフォーマンスは相当高いです。

Dimi’s Build Toolを使ってみよう

折角付属させてくれているのだから、ということで、同梱のビルドツールとワイヤーを使ってビルドしてみます。

Phil’sの方はスタンダードなマイクロコイル用だしやり慣れている方も多いだろうけど、スペースドコイル派あまり巻いたことない人が多いのでは、かくいう自分もちゃんと巻いたことはあまりないです。
(普通に巻いた物を軽く引っ張ってスペースド気味にする程度)

と、いうことで、スペースド用のDimi’sの方を使ってみようと思います。

Phil’sの方は両端が2.5mm用と3.0mm用に分かれていましたが、Dimi’sの方はどちらも3.0mm用、
右巻きと左巻きで分かれています。

付属のワイヤーを10cmくらいにカットして、ネジの溝に沿ってクルクルと巻き付けてゆきます。

Ares Finaleはコイルの向きはどちらでも大丈夫です、
今回は右巻きを使いました。

真っ直ぐ引き抜くことは出来ないので、コイルジグを回して取り外します。

できました、スペースドコイル。
Rの方を使用して巻いたのですが、これ、左巻きのような?
まぁいいか、この辺の定義って結構曖昧。

6巻で0.77Ωでした。

スペースドにするとコイルの幅を維持したまま巻き数を減らすことができます。

同じサイズでも若干抵抗値が低くなるのと、ミストの発生箇所が広がるので、デッキ内のエアフローは全開のままで。

あ、美味いですねこれも、
エアフローコントロール全開で重めDLでもしっかり濃いフレーバーが楽しめますし、
6穴~5穴くらいでMTL寄りの重めDLするのもかなりいい感じです。

普段好んで使用している抵抗値&ドローに近いこともあり、個人的にヒットです。

まとめ

丁寧に作られた、扱いやすいアトマイザーです。
前作よりもエアフロー調整の幅が広がり、ガチMTLから重めDLまで楽しめます。

デッキは非常にビルドがしやすいですし、ウィッキングも苦労しません。
タンクも4.5mlと大容量で、MTL向きのこのアトマイザーの守備範囲だと1回のチャージでかなり長く吸えると思います。

エアフローもスムーズで味の乗りも非常によく、パフォーマンスは上々。

敢えて難点を上げるとしたら24mmという大きさでしょうか。
そのおかげで大きなリキッド容量というメリットもあるわけですが、MTL向きの高抵抗ビルドだとリキッド消費も大きくなく、
MTLアトマイザーは小型のModやサイズ制限のあるModで使用されることも多い為、小型の22mmの物が好まれる傾向にあります。

確かAres 2は22mmバージョンと24mmバージョンがありましたが、Finaleはどうなんでしょうね。

ただ物は非常によいので、MTL好きな方には特にオススメ出来ます。

また、シリーズ通してのコンセプトとして”既存のユーザーからデビューの方までビルドを楽しんで欲しい”という思いが篭もった内容となっており、
ビルドもしやすいデッキですしビルド用の付属品も豊富なので、RTAデビューの方などにもよいのではと思います。

販売情報

Flavor-kitchenさんにて、楽天、本店共々¥5,680送料無料にて販売中です。